がん保険を2年前に解約した34歳会社員です。
ネットで「がん保険は不要」という情報を目にしてから、自分なりに色々調べた結果、我が家には必要ないと判断。
ちなみに我が家の家族構成は私34歳、妻36歳、小1息子、4歳娘の4人家族です。
- がん保険は本当に不要なの?
- なんで不要なのか知りたい
- がんになっても大丈夫なの?
今回はこのような悩みを抱えてる方に向けて記事を書きました。
目次は以下のとおりです。
がん保険は本当に不要なのか?
結論:不要です。
会社員が毎月3万円以上納めている社会保険が守ってくれます。足りない分は貯金で備えましょう。
なぜそのような結論になるのか、「がんに関するデータ」「社会保険について」「がん保険の内容」の3つを理解することでみえてきます。
がんに関するデータ
- がんになる確率
- がんで死亡する確率
の2点を確認していきます。
実際にがんになる確率や年齢は?
「2人に1人はがんになる時代」とよく聞きます。でも実際データを見てみると、
30歳男性が60歳までにがんになる確率は7.4%。女性は11.8%です。
あれ?2人に1人じゃないよ?
国立がん研究センターによると、現在0歳〜40歳の人が「生涯でがんと診断される確率」は男性で約66%、女性で約50%です。
なので、2人に1人というのは間違ってはいません。ただ、あくまで生涯です。80歳でがんになってもカウントされます。
注目してほしいのは、30歳の人が60歳までにがんになる確率は男性で8%以下、女性は12%以下です。

しかも、この確率「がんと診断される確率」であって死亡率ではありません。
なので、過剰に恐れる必要はありません。
がんで死亡する確率は?
「3人に1人はがんで死ぬ」という話があります。2001年の厚生労働省「人口動態調査」によれば、亡くなった人のうち、がんが原因だった割合は31%でした。
なので、「3人に1人はがんで死ぬ」というのは嘘ではありません。
しかし、年々がんで死亡する人が減っているのも事実です。
2021年の厚生労働省「人口動態統計」によると、がんで死亡した人の数は全死因の26.5%とデータが出ています。
この20年で31%→26.5%と、がんで死亡する人はかなり減っているわけです。
今後ますます医療が発達すれば、がんで死亡する人はさらに減っていくかもしれません。
仕事やお金はどうなる?がんになってしまったら…
- 治療費が払えるか不安
- 仕事を休まないといけない
- 失業してしまったら
など、仕事やお金に関する不安が出てきますよね。
大丈夫です。会社員が毎月3万円以上給与から天引されている社会保険が助けてくれます。
詳しく見ていきましょう。
治療費が払えるのか不安【高額療養費制度】
大和証券の記事によると、がんの治療費は約6割の人が50万円〜100万円、8割強の人が200万円以下と書かれています。
これはなぜかというと、高額療養費制度があるからです。
高額療養費制度とは、医療費が月にどれだけかかっても自己負担限度額を超えた分は払い戻れされるという制度です。
例:月給30万円の人の場合、月額自己負担の上限額は約8万円
治療費の相場を知っておくのは大事ですね。
仕事を休まないといけない【傷病手当金】
がんで会社を休まなくてはいけなくなった場合、働けない期間は傷病手当金が支給されます。
- もらえる金額:月給の約6割
- もらえる期間:働ける状態になるまで(最大1年6ヶ月)
- 条件:健康保険に加入し、業務以外が原因のケガや病気
会社員はしっかり保護されています。安心してください。
失業してしまったら【失業給付金】
がんで失業してしまった場合、そのあと働ける状態になると最大で約10ヶ月の失業給付金がもらえる可能性があります。
例えば在職期間8年で月収20万円の方の場合は、一日の基本手当は4,747円、受給日数は90日となるので、受給できる総額は427,230円となります。
フリーランチ流仕事術:働き方の基礎知識
1ヶ月の受給金額は142,410円です。
人によって受給額や期間はそれぞれですが、給付金で次の就職先が見つかるまで国は生活を支えてくれます。
国は労働者に手厚い保障を用意してくれています。がんになっても人生が終わってしまうわけでは決してありません。
がん保険の内容
ここまで、がんのデータと社会保険を確認しましたね。なんとなくイメージが湧いたと思います。
ここからはがん保険の内容を調べて、必要か判断していきましょう。
がん保険の月額料金
価格.com保険で見積もりを取りました。34歳男性という設定で行います。
1位のがん保険はアクサダイレクト生命のがん終身で月額2,000円です。

がん保険の内容
人気ランキング1位のアクサダイレクトのがん終身の内容を以下に書きます。
- がんと診断された場合、一時給付金100万円がもらる。
- 入院になれば1日あたり10,000円の給付金が出る。
- 通院・手術費用は出ない。
- 抗がん剤治療・先進医療・放射線治療・ホルモン剤治療の費用も出ない。
基本的にがん保険の内容は「がんになったら一時金がもらえる」というものです。
決して「がんを治すための保険」ではありません。
がんの入院日数について
入院給付金を計算するために「がんの入院日数」についても調べます。
2020年のがんの入院日数は平均で19.6日です。
厚生労働省「患者調査」
がんの入院日数は年々短期化しており、通院治療が増えてきています。
がん保険|補償額と支払った額の差額
データが揃ったので計算をしましょう。先程のアクサダイレクト保険の金額を使用します。
仮に34歳の会社員男性が60歳でがんになるとします。
がんになれば、一時金100万円と入院給付金約196,000円(平均入院日数19.6日×10,000円)がもらえます。合計1,196,000円ですね。
次に60歳までがん保険料の2,000円を払い続けた場合の合計は624,000円(26年×12ヶ月×2000円)です。
差額は572,000円となります。
がん保険はギャンブル
60歳までにがんになる確率は男性で8%以下、女性で12%以下です。
がん保険はこの8%と12%に毎月2,000円を掛けて、がんになれば572,000円得した。というシステムです。
どうですか?ギャンブルみたいじゃないですか?
例えば、34歳男性の加入者が100人いるとします。一人あたり624,000円(26年×12ヶ月×2,000円)を集めると62,400,000円ですね。
皆が60歳になった時点で8%ががんになったとします。
保険会社はがんになった人に合計9,568,000円(8人×1,196,000円)を払います。
残りの52,832,000円が保険会社の儲けとなります。
結論|がん保険は不要
がんにならない92%に掛けて貯金をして、将来に備えるほうが賢くないでしょうか?
会社員は毎月社会保険という保険料を納めています。
これいくらかかっているかご存知ですか?給与が20万円だと、約3万円も引かれています。
病気やケガになればこの社会保険が助けてくれます。
がん保険は不要です。「社会保険+貯金」で備えましょう。
がん保険を支払うよりも、着実に家計の資産を増やして将来に備えるほうが圧倒的に安心できます。